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完璧に休めなくても大丈夫。「だらだら時間」を自分に許すワーク

Tags: 完璧主義, 休息, だらだら, 自分を許す, 心のゆとり, 疲労回復

「休むこと」も完璧に?心と体が本当に求めている休息とは

毎日、仕事に家事に育児にと、休む間もなく駆け抜けていらっしゃる皆様、本当にお疲れ様です。

時間に追われる中で、ようやく確保できた休息の時間。この時間こそは有効に使って、しっかり疲れを取り、心身をリフレッシュしなければ、と思っていませんか。趣味や自己投資、家族サービスなど、ここでも「ちゃんとしなければ」「完璧に休まなければ」と自分にプレッシャーをかけてしまうことはないでしょうか。

そして、いざ休もうとしても、他のやることが気になったり、「こんなことしていていいのかな」と罪悪感を感じたりして、結局心からリラックスできず、かえって疲れてしまう。さらに、「ちゃんと休めなかった」と自分を責めてしまう。もしあなたがそう感じているなら、それは完璧主義の傾向が、休息にまで影響しているのかもしれません。

私たちは、常に何かを成し遂げることや、時間を有効に使うことに価値を見出しがちです。しかし、心と体が本当に必要としているのは、もしかしたら「何もしない時間」「だらだらする時間」なのかもしれません。今回は、完璧な休息を目指すのではなく、「だらだら」を自分に許し、心穏やかに過ごすための具体的なワークやヒントをご紹介します。

罪悪感なく「だらだら」を許すためのワーク

完璧主義の傾向がある方は、「何もしないこと」に罪悪感を感じやすいものです。しかし、意識的に「だらだら」する時間を作ることは、脳を休ませ、クリエイティブな思考を促し、何より、心身の回復に繋がります。ここでは、そんな「だらだら」を自分に許すための具体的なワークを3つご紹介します。

ワーク1:【だらだら時間】の予約と宣言

方法: まず、あなたの手帳やカレンダーに、「【だらだら時間】」という予定を入れてみてください。時間は短時間から始めて、例えば15分でも30分でも構いません。場所や具体的な内容は書きません。「ただ、この時間になったらだらだらする」と決めるだけです。

可能であれば、家族にも「この時間は少しの間、何もせず過ごしたい」と伝えておくと、途中で声をかけられることが減り、より安心して時間を使えます。

効果: 予定として組み込むことで、「何もしない時間」を確保することへの罪悪感が和らぎます。また、家族に宣言することで、その時間を大切にしようという意識も高まります。生産性から一時的に解放される許可を、自分に与えることになります。

実践のポイント: 最初は短い時間から試してみてください。場所は、ソファでもベッドでも、ベランダでもどこでも大丈夫です。その時間になったら、スマホを見ても良いし、天井を眺めても良い。ただ、目的を持たずに過ごすことがポイントです。

ワーク2:【罪悪感スルー】の練習

方法: だらだらしている最中や、少しでも手が止まった時に、「何かやらなきゃ」「時間を無駄にしている」といった罪悪感が湧いてきたら、心の中で「あ、今、罪悪感を感じているな」と客観的に気づく練習をします。

そして、「この時間は、私の心と体を休ませるために確保した、大切な【だらだら時間】だから大丈夫」と自分に優しく語りかけます。罪悪感という感情を、大きな川を流れる葉っぱのように、「あ、流れてるな」と眺めて、深追いしないイメージを持つことも有効です。

効果: 感情に飲み込まれそうになった時に、一歩引いて自分を観察する癖がつきます。これにより、ネガティブな感情に振り回されにくくなります。「大丈夫」と自分に語りかけることで、自己否定のループを断ち切り、自分を労わることに意識を向けられます。

実践のポイント: すぐに罪悪感が消えなくても、落ち込まないでください。この練習は、自転車に乗る練習のように、繰り返すことで少しずつできるようになります。自分に優しく、「できたこと」よりも「練習したこと」を褒めてあげましょう。

ワーク3:【マイ・だらだらリスト】の作成

方法: 自分が「これなら何も考えずにできそう」「ただ心地よいと感じる」「結果を求めず楽しめる」といった、「だらだら」するためのアイデアをいくつかリストアップしてみましょう。

例えば、「窓の外をぼーっと眺める」「好きな音楽をただ流して聴く」「ソファに寝転がる」「飼っているペットと触れ合う」「好きな飲み物をゆっくり飲む」「目的なく散歩する」「ただただ空を見る」など。達成や効率とは無縁の、心惹かれる小さな行動や状態を書き出します。

効果: せっかく時間ができても「何をしよう…」と考えてしまい、結局何もせず終わってしまうことを防げます。リストがあることで、その時の気分に合わせて「だらだら」の入り口を選べます。また、自分にとって心地よいこと、心身が本当に求めていることに気づくきっかけにもなります。

実践のポイント: リストは完璧に作る必要はありません。思いついた時に少しずつ書き足していきましょう。リストの中から選ぶ時も、「これをやらなきゃ」ではなく、「今日はこれが気分かな」と、軽く選ぶことが大切です。

完璧に「だらだら」できなくても、それでOK

これらのワークは、あくまで「だらだら」を自分に許すためのサポートです。もし、ワークを試してもなかなか心が休まらなかったり、やはり罪悪感を感じてしまったりしても、決して自分を責めないでください。長年培ってきた思考の癖は、すぐに変わるものではありません。

「今日は少しだけだらだらできたな」 「罪悪感を感じたけど、気づくことはできた」 「リストの中から一つ試せた」

そんな小さな一歩や、「これでOK」な状態を見つけることが大切です。完璧に休むことよりも、不完全でもいいから「休もうとした自分」「だらだらを許そうとした自分」を認めてあげてください。

頑張りすぎな自分を労わる時間

毎日頑張っているあなたには、目的のない、生産性のない時間が必要です。それは決して怠けているのではなく、心と体が健康でいるために必要な「メンテナンス」の時間です。

完璧な休息を目指すのではなく、「ちょっと休憩」「ちょっと一息」という感覚で、「だらだら時間」を日常に取り入れてみてください。それは、心身の回復だけでなく、凝り固まった思考を解きほぐし、新しい視点を与えてくれるかもしれません。

自分に「だらだら」を許すことは、頑張りすぎている自分への、何よりの労りです。完璧でなくても大丈夫。不完全な「だらだら」の時間も、あなたの心と体をそっと支えてくれる大切な時間になるはずです。