これでOKワークショップ

「これでOK」が分からないあなたへ。自分基準の合格ラインを見つける3つのワーク

Tags: 完璧主義, 自分基準, これでOK, ワーク, マインドセット, 時短

完璧主義の傾向があると、常に「もっとやらなければ」「これでは足りない」と感じてしまい、終わりが見えずに疲れてしまうことがあります。特に、仕事、家事、育児と複数の役割をこなす中で、どこまでやれば「これでOK」なのか、その基準が分からなくなり、時間にも心にも余裕がなくなってしまうという方もいらっしゃるかもしれません。

他人の評価やSNSで見る「理想の暮らし」と自分を比べてしまい、「自分は何もできていないのではないか」と自己嫌悪に陥ることもあるかもしれません。しかし、「完璧」という基準は曖昧で、人それぞれ、状況によって大きく異なります。その曖昧な「完璧」を追い求め続けることは、時に自分自身を苦しめることにつながります。

ここでは、外側の基準ではなく、自分にとっての「これでOK」という合格ラインを見つけ、心穏やかに日常を送るための具体的なワークを3つご紹介します。無理なく、日常生活の中で試せるものを選んでみました。

ワーク1:あなたの「理想の完璧」を具体的に書き出してみる

まずは、あなたが無意識のうちに「完璧」だと思っている状態がどのようなものなのか、具体的に書き出してみることから始めましょう。

特定のタスク(例:夕食作り、子どもの学校の準備、週末の片付け、仕事の報告書作成など)を一つ選んでみてください。そして、そのタスクにおいて、あなたが思う「完璧な状態」を箇条書きで書き出してみます。

【ワークのやり方】

  1. 紙とペンを用意します。
  2. 今日のタスク、または最近気になっているタスクを一つ選びます。(例:今日の夕食作り)
  3. そのタスクの「完璧な状態」を具体的に書き出します。「〜であるべき」「〜でなければならない」と思っていることを、頭の中にあるものをすべて書き出してみましょう。

    • 例(夕食作り):
      • 手作りの主菜と副菜を3品以上作る
      • 彩り豊かで栄養バランスが良い
      • 家族全員が喜んで残さず食べる
      • 使った調理器具や食器はすぐに洗って片付ける
      • おしゃれな器に盛り付ける
      • 食後のデザートも用意する

書き出してみると、どうでしょうか。もしかしたら、それは非常にハードルが高い、あるいは非現実的な「完璧」かもしれません。書き出すことで、自分が何を理想としているのか、そしてそれがどれだけ自分に負担をかけているのかを客観的に見つめることができます。

ワーク2:自分にとっての「これでOK」ラインを設定する

ワーク1で「理想の完璧」を書き出したら、次にその完璧な状態と比較して、「自分にとって、これならOKだと思える状態」を具体的に設定してみましょう。

このワークのポイントは、「完璧」ではなく「OK」を目指すことです。必要最低限のこと、または現状より少しだけ楽になる基準を意識して設定します。

【ワークのやり方】

  1. ワーク1で書き出した「完璧な状態」リストを見ます。
  2. その隣や下に、同じタスクについて「これでOKな状態」を具体的に書き出します。
  3. 「完璧な状態」から意図的にハードルを下げることを意識してみましょう。

    • 例(夕食作り):
      • 「完璧」:手作りの主菜と副菜を3品以上作る
      • 「これでOK」:メイン1品と、市販の惣菜や冷凍食品、あるいは切るだけの野菜で副菜を1品用意する
      • 「完璧」:家族全員が喜んで残さず食べる
      • 「これでOK」:誰か一人でも「美味しい」と言ってくれたらOK、または、お腹がいっぱいになればOK
      • 「完璧」:使った調理器具や食器はすぐに洗って片付ける
      • 「これでOK」:食洗機に入れる、または、翌朝洗うことにする

「これでOK」ラインは、あくまで「今の自分にとって、無理なく続けられるライン」であることが重要です。最初は「こんな手抜きでいいのだろうか…」と感じるかもしれませんが、まずはこの「OKライン」を目指して行動する練習をしてみましょう。

ワーク3:「OKライン」のために「やらないこと」を決める

「これでOK」ラインを設定したら、そのラインを達成するために、何を「やらない」かを具体的に決めます。完璧を目指すためには多くの時間や労力がかかりますが、OKラインを目指すためには、逆に「やらないこと」を意識的に増やすことが有効です。

【ワークのやり方】

  1. ワーク2で設定した「これでOKな状態」リストを見ます。
  2. その「OKな状態」を達成するために、あなたが「やめること」「時間をかけないこと」「手放すこと」を具体的に書き出します。
  3. 最初は小さなことからでも構いません。意識的に「やらないことリスト」を作ってみましょう。

    • 例(夕食作り):
      • 毎日違うメニューを考えるのをやめる(ルーティン化する)
      • 苦手な料理に挑戦するのをやめる
      • 食後のデザートを毎回手作りするのをやめる
      • 調理器具を全て手洗いするのをやめる(食洗機を活用する)
      • 完璧な盛り付けに時間をかけるのをやめる

「やらないこと」を決めるのは、一見ネガティブに感じるかもしれません。しかし、これは時間や心のリソースを解放し、本当に大切なことや、自分にとって無理のない範囲でできることに集中するための、とても前向きな選択です。やらないことを決めることで、自分を追い詰める状況から一歩距離を置くことができます。

ワークを実践する上でのヒント

これらのワークは、一度やれば完璧に完璧主義を手放せるというものではありません。繰り返し実践し、自分にとって心地よい「OKライン」を探していくプロセスが大切です。

「完璧」を手放し、「これでOK」を受け入れる

完璧主義を手放し、「これでOK」という自分基準を持つことは、決して「手抜き」や「妥協」ではありません。それは、限られた時間やエネルギーの中で、自分と大切な人たちのために、より良い状態を保つための賢明な選択です。

完璧を目指すことをやめ、「これでOK」を受け入れる練習をすることで、心には余裕が生まれ、時間にもゆとりができる可能性があります。そして、その余裕こそが、日々の小さな幸せに気づいたり、自分自身を大切にしたりするための大切なスペースになるのです。

今日から一つでも、「完璧」ではなく「これでOK」を目指してみる練習を始めてみませんか。自分にとっての心地よい合格ラインを見つける旅は、きっとあなたの日々を、もっと穏やかで、温かいものに変えてくれるはずです。