完璧にできなかった自分を許す練習。心軽やかになる3つのステップワーク
完璧主義を手放すための具体的な思考・行動ワーク紹介サイト「これでOKワークショップ」です。
毎日、仕事に家事に育児に、本当にたくさんの役割を完璧にこなそうと頑張っている皆様、お疲れ様です。 時間があっという間に過ぎていく中で、全てを理想通りに進めるのは、想像以上に大変なことだと思います。
少しでも計画通りにいかなかったり、やろうと思っていたことができなかったりすると、「もっと頑張れたはずなのに」「自分がダメだからだ」と、つい自分を責めてしまうことはありませんか。他人と比べて落ち込んだり、SNSのキラキラした投稿を見て自己嫌悪に陥ったりすることもあるかもしれません。
そんな風に、完璧にできない自分を責める癖は、心をどんどん重くしてしまいます。そして、その重さがさらに行動を鈍らせ、また自分を責める…という悪循環に陥ってしまうことも少なくありません。
自分を許すことの大切さ
完璧主義を手放し、心穏やかに過ごすためには、「完璧にできなかった自分を許す」という練習が非常に大切です。
「自分を許す」と聞くと、「甘やかす」「諦める」のように感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ここで言う「許す」とは、過去の出来事や、その時の自分の状態を受け入れ、「それでも大丈夫だよ」と自分に優しくすることです。決して、成長を諦めたり、反省をしなかったりすることではありません。むしろ、自分を責めるエネルギーを、建設的な行動や、自分を労わるために使うための前向きなステップです。
自分を許すことができるようになると、心が軽くなり、失敗を恐れずに新しいことに挑戦するエネルギーも生まれてきます。
「自分を許す練習」3つのステップワーク
自分を許すことは、すぐに完璧にできるようになるものではありません。日々の小さな積み重ね、練習が必要です。ここでは、忙しい日常の中でも無理なく試せる、具体的な3つのステップワークをご紹介します。
ステップ1:責めている自分に「気づく」ワーク
まず第一歩は、自分がどんな時に、どのように自分を責めているかに気づくことです。
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ワーク内容: ノートやスマートフォンのメモ機能など、手軽に使えるものを用意してください。そして、完璧にできなかったことや、計画通りにいかなかった出来事があった時に、その出来事と、その時に心の中で自分にかけていた言葉(自己批判)を簡単に書き出してみましょう。
- 例:「子どもの食事の準備が遅れた → 私って段取りが悪いな」「仕事のメール返信が遅れてしまった → もっと早くできたのに、だめだ」
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実践のポイント: 完璧に全てを記録しようとせず、気づいた時にサッとメモする程度で大丈夫です。記録する時間がない場合は、心の中で「あ、今、自分を責めてるな」と意識するだけでも効果があります。
- なぜ有効か: 自分を責める言葉は、無意識のうちに自動的に出てきやすいものです。それに意識的に気づくことで、自動的な反応から一歩離れて、自分を客観視できるようになります。「あ、いつものパターンだ」と気づくだけでも、自己批判の力を弱めることができます。
ステップ2:責める心の裏にある「本音」に気づくワーク
次に、ステップ1で気づいた自己批判の言葉のさらに奥にある、自分の本当の気持ちや「ねばならない」という考え方に気づく練習をします。
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ワーク内容: ステップ1で書き出した自己批判の言葉を見て、「なぜ、その時に自分を責めてしまったのだろう?」と問いかけてみてください。その裏に隠されている「本当はどうしたかった?」「何に価値を置いている?」「何が怖いの?」「どんな理想がある?」といった自分の本音や、「〇〇ねばならない」という考え方を探ってみましょう。
- 例:「段取りが悪いな」の裏には「時間に遅れず、完璧に準備したい」という理想や、「テキパキできないとダメだ」という思い込みがあるかもしれません。
- 例:「もっと早くできたのに、だめだ」の裏には「仕事は迅速にこなすべきだ」という責任感や、「評価が下がるのが怖い」という気持ちがあるかもしれません。
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実践のポイント: これも完璧に深掘りする必要はありません。「もしかしたら、こうかな?」という程度で大丈夫です。答えが見つからなくても、自分に問いかけるプロセス自体が大切です。
- なぜ有効か: 自分が何を理想とし、何に縛られているのか、自分自身の心の癖に気づくことができます。原因が分かれば、その「ねばならない」を手放すにはどうすれば良いか、現実的な対処法を考えやすくなります。
ステップ3:自分に「優しい言葉」をかける練習ワーク
最後に、自己批判の言葉を、自分を労わる、優しい言葉に置き換えて、実際に自分にかけてみる練習をします。
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ワーク内容: ステップ1で気づいた自己批判の言葉を、ステップ2で見つけた自分の本音も踏まえながら、自分にとって少しでも心地よく感じられるような、優しい言葉に言い換えてみましょう。そして、完璧にできなかった時や疲れた時に、実際にその言葉を心の中で唱えたり、声に出して自分に語りかけたりします。
- 例:「私って段取りが悪いな」→「今日は疲れてたんだね。準備が遅れても、食事ができただけで素晴らしいよ」「完璧じゃなくても大丈夫だよ」
- 例:「もっと早くできたのに、だめだ」→「忙しい中、よくここまでできたね。次はこう工夫してみようかな」「できない自分も、今日の私だよ。これで大丈夫」
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実践のポイント: 最初は、「こんな言葉、自分にかけるなんて変だな」「嘘っぽいな」と感じるかもしれません。それでも大丈夫です。大切なのは、完璧な言葉を探すことではなく、自分を責める言葉から離れて、少しでも優しい視点を持つ練習をすることです。繰り返し練習することで、少しずつ心に染み込んでいきます。疲れている時は特に、自分を労わる言葉を優先的にかけてみましょう。
- なぜ有効か: 繰り返し優しい言葉を自分にかけることで、内なる声のパターンを変えていきます。これは、脳の思考回路を少しずつ変えていくトレーニングのようなものです。徐々に、自分を責める頻度が減り、完璧にできない自分を受け入れやすくなります。
練習を続けるためのヒント
これらのワークは「練習」です。すぐに完璧にできるようにならなくても、落ち込む必要はありません。
- 完璧を目指さない: 「完璧に許せるようにならなきゃ」と思わないことが大切です。練習のプロセスそのものに意味があります。
- 小さな変化を認める: 「今日は責めている自分に気づけた」「優しい言葉をかけてみようと思えた」といった小さな一歩、小さな変化を自分で認めてあげてください。
- 疲れている時は無理しない: 心身が疲れている時は、自分を責める気持ちが強くなりがちです。そんな時は、無理にワークを頑張るよりも、自分を労わる時間を優先しましょう。
- これはツール: これらのワークは、完璧主義を手放すための道具の一つです。道具を使うこと自体が目的にならないように、「心が軽くなること」をゴールに置いてください。
完璧じゃない自分に「これでOK」を
完璧主義を手放し、完璧にできなかった自分を許す練習を続けることで、あなたの心は少しずつ軽くなっていきます。自分を責める時間が減り、その分、自分を労わったり、好きなことに時間を使ったり、家族との時間を楽しんだりする心の余裕が生まれてくるでしょう。
完璧な人間なんていません。完璧にできない日があっても、失敗しても、それは自然なことです。
頑張り屋さんのあなたが、完璧じゃない自分も「これでOK」と心から認め、心穏やかな毎日を送れるようになることを願っています。