完璧じゃない毎日でも大丈夫。小さな「OK」を見つける記録習慣
毎日を「完璧」にしようとして疲れていませんか?
仕事に家事に育児にと、毎日時間に追われながら頑張る中で、「あれもできなかった」「ここが完璧じゃない」と、ついつい自分にダメ出しをしてしまうことはありませんか。目の前のタスクをこなすのに精一杯で、終わった後も「もっとこうすればよかった」と反省ばかり。周りの人やSNSで見かける「理想」と自分を比べてしまい、自己嫌悪に陥ることもあるかもしれません。
特に、限られた時間の中でいくつもの役割をこなそうとすると、すべてを完璧にすることは現実的ではありません。それなのに、「完璧にできない自分はダメだ」と感じてしまうのは、とても辛いことです。
完璧主義の傾向があると、どうしても「できていないこと」「足りないこと」にばかり目が行きがちです。しかし、どんな一日にも、形は不完全でも、あなたが頑張ったこと、乗り越えたこと、そして「これでOK」と言える小さな瞬間は必ず存在します。
「できなかった」ではなく「OK」に目を向ける習慣
完璧主義を手放し、心穏やかに毎日を過ごすためには、この「OK」に意識的に目を向ける練習が非常に有効です。ネガティブな側面に焦点を当てる癖を、「これでOK」な側面に切り替えていくのです。
そのための具体的なワークとして、「小さなOK記録」を試してみてはいかがでしょうか。これは、毎日の中に隠れた「完璧ではないけれど、確かにOKだったこと」「不完全でも、少しでも進んだこと」を見つけ、記録する習慣です。
ワーク:今日の「小さなOK」を見つける記録習慣
このワークは、特別な時間や場所を必要としません。一日の終わりに、数分だけ立ち止まり、今日一日を振り返ってみます。
ワークのステップ
- 静かな数分間を確保する: 夜、寝る前など、ほんの数分で構いません。静かに今日一日を振り返る時間を作りましょう。
- 記録するものを用意する: 専用のノートでも、手帳の片隅でも、スマートフォンのメモアプリでも構いません。自分が一番手軽に続けられるものを選んでください。
- 今日の「小さなOK」を探す: 今日一日を思い返しながら、「これはOKだったな」「完璧じゃないけど、これで十分だな」「少しでも進んだな」と感じることを探します。
- 例1: 仕事で - 完璧な資料ではなかったけれど、締め切りまでに提出できた。途中で中断したけれど、あのメールだけは返信できた。
- 例2: 家事で - 部屋全体は片付かなかったけれど、テーブルの上だけはきれいにできた。手の込んだ料理は作れなかったけれど、栄養のあるものを家族に出せた。洗濯物を全て畳めなかったけれど、最低限必要なものだけは畳めた。
- 例3: 育児で - 完璧な対応ではなかったかもしれないけれど、子どもの話を聞いてあげられた。一緒に長い時間は遊べなかったけれど、絵本を1冊だけ読んであげられた。
- 例4: 自分自身について - 疲れていたから、いつもより30分早く寝た。完璧な運動はできなかったけれど、ストレッチだけはできた。やりたかったことはできなかったけれど、休憩する時間を作れた。
- ポイント: どんなに小さなことでも構いません。「〜すべきだった」という視点ではなく、「〜できた」「〜した」という事実に焦点を当ててみましょう。完璧でなくても「これで十分」と思えることを探します。
- 記録する: 見つけた「小さなOK」を、箇条書きなどで簡単に記録します。長い文章でなくて構いません。
- (例)「夕食は簡単な丼ものにしたけど、子どもが喜んでくれた。OK」「仕事でトラブルがあったけど、上司に相談できた。OK」「疲れてたから、帰宅してすぐソファで5分だけ休んだ。OK」
- 記録する際に、「〜できた。これでOK」「完璧じゃないけど、よしとしよう」「今日の私はこれを頑張った」など、自分を肯定する言葉を添えるのも効果的です。
- 読み返す(任意): 記録した「小さなOK」を、時々読み返してみましょう。自分が思っている以上に、毎日たくさんの「OK」があることに気づけるはずです。
続けるためのヒント
- 「完璧に記録する」ことを目指さない: 毎日記録できなくても大丈夫です。プレッシャーにならない範囲で、気が向いたときにやってみましょう。
- ハードルを下げる: 一つだけ「小さなOK」を見つける、一行だけ書くなど、無理のない範囲から始めましょう。
- 自分を責めない: もし記録を忘れてしまっても、「あ、忘れてたな」と思うだけで次に活かせば大丈夫です。自分を責める必要は全くありません。
小さなOKを見つける習慣がもたらす変化
この「小さなOK記録」を続けることで、少しずつあなたの心に変化が現れるでしょう。
まず、「できなかったこと」に縛られる時間が減り、「できたこと」に目を向けられるようになります。これは、自己肯定感を育む上で非常に重要です。完璧ではない自分も受け入れ、「これでOK」と認められるようになります。
また、日々の小さな達成感に気づくことで、自分はちゃんとやれている、という感覚が得られます。これは、完璧主義からくる疲弊感を和らげ、心にゆとりを生み出すことにつながります。
「完璧を目指さなくても大丈夫なんだ」という安心感が生まれ、自分自身に対してより優しくなれるでしょう。心穏やかに毎日を過ごすための大切な一歩となります。
終わりに:完璧な毎日を目指すのではなく
完璧な毎日を送ることは、誰にとっても難しいことです。完璧を目指して自分を追い詰めるのではなく、「今日の私、これでOK」と、不完全な自分に優しく声をかけてあげましょう。
あなたの毎日は、あなたが思っている以上にたくさんの「OK」で満たされています。小さな「OK記録」を通じて、それに気づき、自分自身を温かく労わってあげてください。
このワークが、あなたが完璧主義を手放し、心軽やかに毎日を過ごすための一助となれば幸いです。