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完璧主義からくる自己嫌悪感をゆるめる。完璧でなくても自分を許すワーク

Tags: 完璧主義, 自己嫌悪, 自分を許す, 自己肯定感, ワーク

日々、仕事に家事に育児にと、たくさんの役割をこなしていらっしゃる皆様、本当にお疲れ様です。時間がない中でも、ついついすべてを完璧にこなそうとしてしまい、うまくいかない時に「どうして自分はできないんだろう」と自己嫌悪に陥ることはありませんか。

完璧主義は、目標達成に向けて努力を促す良い側面もありますが、時には私たちを強く縛りつけ、疲弊させてしまいます。特に、忙しい現代社会で、限られた時間の中で全てのことを理想通りにこなすのは至難の業です。それなのに、理想とのギャップに苦しみ、自分自身を責めてしまうことは、心をすり減らしてしまうことにつながります。

この自己嫌悪感から少しずつ解放され、完璧でなくても十分だと自分を許すためには、思考や行動の習慣を意識的に変えていくことが大切です。ここでは、日常生活の中で無理なく取り入れられる、自己嫌悪感を和らげ自分を許すための具体的なワークをいくつかご紹介します。

なぜ完璧主義は自己嫌悪を生むのか

完璧主義の根底には、「完璧でなければ価値がない」「失敗は許されない」といった強い信念があることが少なくありません。このような思考パターンは、現実の自分や状況が理想通りにならない時に、激しい自己批判や自己否定を生み出します。

これらの思考は、自己肯定感を低下させ、自分はダメだと感じやすくなる原因となります。しかし、私たち人間は誰しも不完全であり、失敗もします。その「不完全さ」を受け入れることが、自己嫌悪を手放す第一歩となります。

ワーク1: 「不完全リスト」を作ってみる

完璧主義の方は、自分の失敗やできていない点に過度に意識を向けがちです。まずは、その「不完全さ」を客観的に見てみましょう。

方法

  1. ノートやスマートフォンのメモ機能など、書き出しやすいものを用意します。
  2. 最近、「完璧にできなかった」「失敗した」「後悔している」と感じた出来事をいくつか書き出してみます。仕事のこと、家事のこと、育児のこと、人間関係のことなど、どんな些細なことでも構いません。
    • 例: 今日の夕食は予定通りに作れなかった、子供の質問にイライラして答えてしまった、仕事のメールの返信が遅れた、洗濯物を畳みきれなかった、など
  3. 書き出したリストを眺めてみます。

効果

自分の「不完全さ」を可視化することで、それが特別でも、自分だけのものでもないことを認識できます。「みんな、完璧ではないのだな」「自分も人間だから、こういうこともあるか」と、少し冷静に受け止められるようになるかもしれません。リストは、自分自身の「頑張っているけれど、全てはできない」という現状を理解する手がかりにもなります。

実践のポイント

ワーク2: 自己嫌悪を感じた時の「自分への優しい言葉かけ」

自己嫌悪を感じた時、私たちの内側では自己批判の嵐が吹き荒れていることがあります。「どうしてあんなことをしたんだろう」「私はなんてダメなんだ」といった声が、心をさらに傷つけます。そんな時に、意識的に自分に優しい言葉をかけてみましょう。

方法

  1. 自己嫌悪や落ち込みを感じている自分の気持ちに気づきます。
  2. もし、親しい友人が同じ状況で苦しんでいたら、どんな言葉をかけるかを想像してみます。励まし、共感し、労わる言葉が出てくるのではないでしょうか。
  3. その想像した言葉を、今度は自分自身に向けて語りかけてみます。心の中で唱えるだけでなく、可能であれば声に出してみるのも効果的です。
    • 例: 「辛いね、頑張ってるのにうまくいかなくて苦しいね」「大丈夫だよ、誰にだってそういう時はあるよ」「疲れているんだね、少し休もうか」「完璧じゃなくても、十分よくやっているよ」
  4. 自分を優しく抱きしめたり、胸に手を当てたりしながら行うと、より安心感を得られることがあります。

効果

自己批判的な内なる声を和らげ、自分自身への慈悲の心を育むことができます。自分は攻撃されるべき存在ではなく、労りや理解に値する存在だと感じられるようになります。自己嫌悪の感情に飲み込まれそうになった時に、冷静さを取り戻し、自分をケアする行動につながります。

実践のポイント

ワーク3: 「小さなOK」を見つける練習(応用)

完璧主義の思考パターンは、どうしても「できていないこと」に目が向きがちです。意識的に視点を変え、「できていること」「頑張ったこと」に目を向ける練習をしましょう。これはリストにある「日常に『小さなOK』を見つける3つのワーク」の応用とも言えます。

方法

  1. 一日の終わりや、少し心が疲れた時に、今日の自分を振り返ってみます。
  2. 完璧にはできなかったとしても、自分が「頑張ったな」「これならOKだな」と思える小さなことを見つけます。結果だけでなく、そこに至るまでの過程や努力も評価対象にしてみましょう。
    • 例: 朝、時間通りに起きられた、子供にご飯を食べさせられた、仕事のタスクを一つ完了させた、疲れていたけれど洗濯機を回した、自分に優しい言葉をかけた、など
  3. 見つけた「小さなOK」を心の中で認めたり、書き出したりします。

効果

自己否定のパターンから抜け出し、肯定的な側面に意識を向ける習慣がつきます。自分は「何もできていないダメな人間」ではなく、「頑張っている人間」だと感じられるようになります。小さな成功体験を積み重ねることで、自己肯定感が少しずつ育まれます。

実践のポイント

完璧主義を手放し、自分を許すためのヒント

これらのワークは、すぐに劇的な変化をもたらすものではないかもしれません。長年染み付いた思考パターンを変えるには、時間と練習が必要です。

完璧でなくても、あなたは十分素晴らしい

完璧主義を手放し、不完全な自分を許すことは、決して「努力をやめる」「諦める」ということではありません。それは、理想と現実のギャップに苦しみ続けるのではなく、今の自分を受け入れ、自分自身に優しく寄り添いながら生きていくための選択です。

自己嫌悪の沼から抜け出し、完璧でなくても大丈夫だと思えるようになることで、心には少しずつ穏やかさが戻ってくるでしょう。忙しい毎日の中で、つい自分を責めてしまう時は、今日の記事でご紹介したワークを思い出してみてください。不完全なあなたでも、そのままのあなたで、十分素晴らしい存在なのですから。