時間がない…と焦るあなたへ。「これでOK」基準を見つけるハードル下げワーク
時間がない、完璧にできない…焦りと自己嫌悪を感じていませんか
仕事、家事、育児と毎日時間に追われている中で、「あれもこれも完璧にやらなきゃ」と考えてしまい、疲れてしまっていませんか。限られた時間ではすべてを理想通りにこなすのは難しく、結局どれも中途半端に感じて自己嫌悪に陥ることもあるかもしれません。SNSで見る他人の完璧な生活と比べてしまい、自分はダメだと落ち込んでしまうこともあるのではないでしょうか。
完璧を目指すことは、質の高い成果に繋がる場合もあります。しかし、常に時間がない状況で完璧を追い求め続けることは、心身の大きな負担となります。大切なのは、限られた時間の中でも「これでOK」と思える自分なりの基準を見つけ、心のハードルを下げることです。
ここでは、忙しい日々の中で無理なく実践できる、「これでOK」基準を見つけるための具体的な思考法とワークをご紹介します。
ワーク1:タスクを「完璧」と「OK」に分解してみる
まず、日々のタスクを書き出してみてください。そして、それぞれのタスクについて、「完璧にこなす状態」と「これでOKとする最低限の状態」を定義してみましょう。
例: * 夕食作り * 完璧:栄養バランス満点、複数の副菜、彩り豊か、全て手作り、洗い物もすぐ片付ける * OK:主食、主菜、汁物の3品、市販品や冷凍野菜も活用、洗い物は食後にまとめてでもOK * 子どもの寝かしつけ前の片付け * 完璧:全てのおもちゃを分類して元の場所に、床に何も落ちていない状態 * OK:リビングの中央に出ているものだけを箱にまとめる、踏むと痛いものだけ片付ける * 仕事の報告書作成 * 完璧:細かい表現まで推敲、グラフを複数挿入、デザインも整える * OK:必要な情報を正確に伝える、誤字脱字がない、期日までに提出する
このように、「完璧」と「OK」の状態を意図的に分けてみることで、「完璧でなくても大丈夫なライン」が具体的に見えてきます。時間がない時は迷わず「OK」ラインを目指すと決めるだけで、ぐっと楽になります。
実践のポイント: * 普段当たり前だと思っているタスクも書き出してみましょう。 * 「OK」ラインは、あくまで「最低限、これだけは」というレベルに設定します。後で「もっとできたはず」と思っても、その時は「OK」で終わらせたと自分に言い聞かせます。
ワーク2:時間の制約を「前提」として受け入れる練習
「時間がない中で完璧にできない自分はダメだ」という考えは、時間がない状況そのものを否定している状態かもしれません。しかし、現実として時間は限られています。この「時間の制約がある」ということを、善悪の判断を挟まずに「前提」として受け入れる練習をしてみましょう。
例えば、何かを始める前に「このタスクにかけられる時間は〇分(または〇時まで)」と意識的に区切りを設定します。そして、その時間の中でできることに焦点を当てます。
「〇分しかないから、完璧にはできないな。でも、〇分あればここまでならできる」という思考に切り替えるのです。
これは、「諦め」とは違います。限られたリソース(時間)を最大限に活用するために、現実的な目標設定をする、という建設的な考え方です。
実践のポイント: * タイマーを使って時間を区切ってみましょう。タイマーが鳴ったら、途中でも作業を中断してOKとします。 * 「時間がない」と感じた時に、「〇分あれば、何ができるだろう?」と問いかけてみましょう。
ワーク3:「できたこと」に意識的に目を向ける習慣
私たちは、「完璧にできなかったこと」「時間がなくてできなかったこと」にばかり目が行きがちです。しかし、どんなに忙しい日でも、何かしら「できたこと」は必ずあります。意識的に「できたこと」に目を向けることで、自己肯定感を育み、「これでOK」と自分を認めやすくなります。
一日の終わりに、今日「できたこと」を3つ書き出してみましょう。どんなに小さなことでも構いません。
例: * 朝、家族にご飯を食べさせられた * 仕事のメールに返信できた * 洗濯物を畳むことはできなかったけれど、洗うことはできた * 子どもを寝かしつける前に絵本を1冊読めた * 夕食作りは手抜きになったけれど、みんなで美味しく食べられた
書き出すことで、忙しい中でも自分がこれだけ頑張っている、これだけできている、という事実に気づけます。「完璧ではなかったかもしれないけれど、これだけはできた。だから今日の私はOKだ」と自分を労う練習になります。
実践のポイント: * 寝る前や移動中など、無理なく続けられる時間帯を決めて習慣にしましょう。 * 書くのが難しければ、心の中で3つ思い浮かべるだけでも効果があります。
完璧でなくても大丈夫。自分に優しく、「これでOK」を増やしていく
これらのワークは、完璧主義を完全に捨てることや、すべての基準を下げることを目指すものではありません。限られた時間という現実の中で、自分を必要以上に追い詰めず、心穏やかに過ごすための工夫です。
これらのワークを試してみて、もし完璧に実践できなくても、それはそれで「今日は無理なく試せなかったな。明日また少しやってみよう」と「これでOK」にしてみてください。完璧主義を手放す道のりもまた、完璧でなくて良いのです。
自分に厳しくする代わりに、少しだけ自分に優しくする。今日の自分に「これでOKだよ、よく頑張ったね」と声をかけてあげる。そうすることで、心にゆとりが生まれ、忙しい毎日の中でも穏やかさを感じられる瞬間が増えていくはずです。
できることから、焦らず少しずつ試してみてください。あなたの毎日が、少しでも心軽やかになることを願っています。