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「完璧じゃなくてごめんね」を手放す。罪悪感を和らげ自分を労わるワーク

Tags: 完璧主義, 罪悪感, 自分を労わる, セルフケア, ワーク

いつも「完璧じゃなくてごめんね」と感じていませんか

仕事、家事、育児。毎日やるべきことはたくさんあって、あっという間に一日が終わります。そんな中で、「もっとできたはず」「あれもこれも完璧にできなかった」「今日の自分はこれでよかったのかな」と、つい自分にダメ出しをしてしまうことはありませんか。

一生懸命頑張っているのに、心の中には常に「完璧じゃなくてごめんね」という罪悪感が潜んでいる。この罪悪感は、私たちをさらに追い詰め、心と体を疲れさせてしまいます。

特に、時間がない中で複数の役割をこなそうとしていると、「完璧でなければ」という理想と現実のギャップに苦しみ、自分を責めてしまいがちです。でも、毎日を心穏やかに過ごすためには、この罪悪感を少しずつ手放し、自分自身に優しくなることがとても大切です。

この記事では、完璧主義からくる罪悪感を和らげ、自分自身を労わるための具体的な思考法と行動ワークをご紹介します。家庭や仕事の合間に、無理なく試せるものを選んでみました。

なぜ完璧主義だと罪悪感を感じやすいのか

完璧主義の人は、自分の中に非常に高い基準を持っています。その基準に少しでも達しないと、「自分はダメだ」「もっと頑張らなくては」と感じ、それが罪悪感につながります。

この罪悪感は、「次はもっと完璧に」とさらに頑張るエネルギーになることもありますが、同時に心身を疲弊させ、自分をどんどん嫌いになってしまう原因にもなります。

罪悪感を和らげ、自分を労わるためのワーク

罪悪感を手放すことは、自分を甘やかすことではありません。ありのままの自分を受け入れ、心穏やかに毎日を過ごすための練習です。ここでは、すぐに試せる3つのワークをご紹介します。

ワーク1:今日の小さな「できた」を見つけるワーク

完璧主義さんは、「できていないこと」や「改善点」に目が向きがちです。意識的に「できていること」に目を向け、自分にOKを出す練習をしましょう。

  1. 書き出す習慣をつける: 寝る前や、少し落ち着いた時間に、今日できたことを3つ以上書き出します。大きな成果である必要はありません。「子どもにご飯を食べさせた」「洗濯物を畳んだ」「メールを1通返信した」「信号待ちで空を見た」など、どんなに些細なことでも構いません。
  2. 「これでOK」と声かけする: 書き出した「できたこと」を一つずつ読みながら、「よし、今日の私はこれでOK」「よくやったね」と心の中で、または声に出して自分に言ってあげます。
  3. リストを振り返る: 一週間分など、溜まってきたリストを見返すことで、「自分はこれだけやれているんだ」という実感を持つことができます。

実践のポイント: * 最初は「こんなこと?」と思うかもしれませんが、意識的に肯定的な側面に目を向ける訓練です。 * 毎日は難しくても、まずは週に数回から始めてみましょう。 * 完璧に書き出せなくても、リストが埋まらなくても、それ自体を責めないでください。

ワーク2:「もし親友だったら、なんて声をかける?」ワーク

自分に厳しい言葉をかけてしまう時、少し立ち止まって、違う視点から自分を見てみましょう。

  1. 自分へのダメ出しを書き出す: 何か失敗したり、完璧にできなかったりした時に、自分が心の中で思っていること、自分にかけている厳しい言葉を正直に書き出します。(例:「どうしてこれくらいもできないの」「ほんと要領悪いな」「もっと頑張らなきゃダメだ」)
  2. 親友を想像する: もし、あなたの親友が全く同じ状況で、あなたと同じように自分を責めていたら、あなたはどんな言葉をかけるでしょうか。親友を励まし、寄り添う言葉を考えてみてください。
  3. 自分にその言葉をかける: 親友にかけるはずだった、優しく励ます言葉を、今度は自分自身にかけてあげます。(例:「大丈夫、お疲れ様」「よく頑張ったね」「完璧じゃなくても、あなたはあなたのままで素晴らしいよ」)

実践のポイント: * 自分へのダメ出しに気づくことが最初のステップです。 * すぐに優しい言葉が見つからなくても構いません。まずは「あ、今自分を責めてるな」と客観的に認識するだけでも効果があります。 * 自分を責める声は消えなくても、それに優しさで応答する練習です。

ワーク3:心を満たす「ご自愛アクション」リストを作るワーク

罪悪感を感じやすい時は、心のエネルギーが枯渇しているサインかもしれません。意識的に自分を労わる時間を作りましょう。

  1. 「ご自愛アクション」をリストアップ: 疲れた時、落ち込んだ時、罪悪感を感じそうになった時に、心を癒したり、元気が出たりする「小さな行動」を思いつく限り書き出します。お金や時間がかからない、すぐにできるものが中心です。(例: 好きなお茶を淹れる、窓を開けて深呼吸する、好きな香りを嗅ぐ、ストレッチをする、短い音楽を聴く、手鏡を見て笑顔を作る、植物に水をやる)
  2. リストを見えるところに貼る: キッチンやデスク周り、冷蔵庫など、目につく場所にリストを貼っておきます。
  3. 意識的に実行する: 罪悪感を感じたり、心が疲れたりする予兆があったら、リストを見てその中から一つを選んで実行します。ほんの数分でも構いません。

実践のポイント: * 「これをしたら休んでしまう」という罪悪感は一旦横に置き、「心を満たすこと」を優先する許可を自分に与えましょう。 * リストはいつでも追加・修正して構いません。 * 「完璧にリフレッシュしなくては」と思わず、「少し心が軽くなったかな」程度でOKとしましょう。

罪悪感を手放すことは、自分を否定することではない

これらのワークは、完璧を目指すことをやめるためのものではありません。一生懸命頑張っている自分を認め、不完全な部分も含めて「これでOK」と受け入れるための練習です。

罪悪感を手放すことは、サボることでも、責任を放棄することでもありません。むしろ、心身の健康を保ち、より前向きに日々の課題に向き合うための土台となります。

完璧でなくても、あなたはあなたのままで素晴らしい存在です。全てのことを完璧にこなすことは不可能であり、完璧を目指すこと自体が私たちを苦しめているのかもしれません。

今日から、ほんの少しだけ自分に優しく、「完璧じゃなくてごめんね」の代わりに「今日もよく頑張ったね、これでOK」と、自分を労わる声かけを始めてみませんか。その小さな一歩が、心穏やかな毎日へとつながっていくはずです。