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「休むこと」も完璧に? 自分を労わるための「スキマ時間」ワーク

Tags: 完璧主義, 休息, セルフケア, スキマ時間, 自分を労わる

頑張り続けるあなたへ。疲れていませんか?

毎日、仕事に家事に育児にと、本当にたくさんの役割をこなされていますね。すべてを完璧にこなそうと、休む間もなく頑張っている方もいらっしゃるかもしれません。やるべきことに追われ、心も体もいっぱいいっぱいになってしまうこともあるでしょう。

時間に追われる日々の中で、「休みたい」と思っても、 「休んでいる暇なんてない」 「完璧に終えてからじゃないと休めない」 「休むなんて甘えかもしれない」 そんな風に感じてしまい、なかなか自分に休息を許せない、ということはありませんか?

完璧主義の傾向があると、実は「休むこと」に対しても「完璧」を目指してしまいがちです。「〇時間寝なければ」「どこかへ出かけなければ」といった大きな休息を考えすぎてしまい、結果的に休息を取るハードルを上げてしまうことがあります。あるいは、「生産的でない時間は無駄だ」と感じ、休息に罪悪感を持ってしまうこともあります。

しかし、心身の疲れを溜め込みすぎると、パフォーマンスが落ちるだけでなく、イライラしやすくなったり、自分を責めてしまったりと、心穏やかに過ごすことが難しくなります。

休息は、頑張り続けるためのエネルギーチャージです。決して手を抜くことではありません。そして、まとまった時間が取れなくても、日々の「スキマ時間」を活用して、心と体を労わることができる方法があります。

今回は、完璧主義を手放し、自分に優しく休息を与えるための、短い時間で試せる具体的なワークを3つご紹介します。

完璧主義を手放し、心と体を休ませる「スキマ時間」ワーク

数分あればできる、日常に取り入れやすい休息ワークです。完璧に行うことよりも、「少しでもやってみた」ということを大切にしてみてください。

ワーク1:意識的な小休止(呼吸に意識を向ける3分間)

これは、マインドフルネスの考え方を取り入れたワークです。場所を選ばずに、数分あればいつでも行うことができます。

方法: 1. 可能であれば、椅子に座るか、立つ場合は背筋を軽く伸ばします。難しければ、どんな姿勢でも構いません。 2. 目を閉じるか、やわらかく閉じられない場合は一点をぼんやりと見つめます。 3. 体の感覚に意識を向けます。足の裏が床についている感覚、座っているお尻の感覚など。 4. 次に、呼吸に意識を向けます。鼻を通る空気の流れ、胸やお腹の膨らみやへこみなど、呼吸によって体が動く感覚を観察します。呼吸をコントロールしようとせず、ありのままの呼吸に意識を向けます。 5. 呼吸から意識がそれても大丈夫です。思考や感情が浮かんできても、「あ、考えていたな」と気づき、またそっと呼吸に意識を戻します。 6. これを3分間ほど続けます。スマートフォンなどのタイマーを使っても良いでしょう。

効果: 頭の中で巡っている「あれもこれもやらなきゃ」という思考の流れを一時的にストップさせ、今この瞬間に意識を戻すことができます。心身の緊張が和らぎ、短い時間でもリフレッシュ効果を感じられます。忙しさの中で忘れがちな、自分自身の存在や感覚に気づくきっかけにもなります。

実践のポイント: * 「完璧に無心にならなければ」と考えないでください。思考がそれてしまうのは自然なことです。気づいたら戻す、その繰り返しで十分です。 * タイマーを使うと時間を気にせず取り組めます。 * トイレの中、通勤電車の中、ランチタイムの前後など、日常のあらゆる「スキマ時間」で試すことができます。

ワーク2:自分を労わる「肯定的なセルフトーク」(心の中の温かい言葉)

私たちはつい、できていないことや失敗したことに目を向け、「もっと頑張らなきゃ」「どうしてできないんだろう」と自分を厳しく評価しがちです。完璧主義の傾向が強いと、この自己批判の声が大きくなりがちです。このワークでは、意識的に自分に優しい言葉をかけます。

方法: 1. 疲れているな、落ち込んでいるな、と感じたときに、一度立ち止まります。 2. 心の中で、あるいは声に出せる状況であれば小さな声で、自分自身に労いや肯定の言葉をかけます。 * 「今日の仕事、疲れたけどよく乗り切ったね。えらいね。」 * 「子どもを寝かしつけて、やっと一息。今日もよく頑張った。」 * 「完璧にはできなかったけれど、できることは精一杯やったね。」 * 「少し休んでも大丈夫だよ。」 * 「あなたはあなたのままで十分だよ。」 3. どんな言葉がけが必要か分からない場合は、親しい友人や大切な人が同じ状況で疲れていたら、どんな言葉をかけるかを想像してみると良いでしょう。その言葉を自分自身に向けてみます。

効果: 自己批判の声を和らげ、自分自身に対する肯定的な感覚を育みます。自己肯定感を高め、安心感を得ることができます。疲れている自分、不完全な自分を受け入れる練習になります。

実践のポイント: * 最初は少し照れくさく感じたり、わざとらしく思えたりするかもしれません。それでも続けてみることが大切です。言葉にすることで、潜在意識に働きかけることができます。 * 手帳やノートに書き出してみるのも効果的です。 * 具体的な行動や状況と結びつけて言葉をかけると、よりリアリティを感じられます(例:「洗い物全部終わらなかったけど、明日の朝に回すって決めたの、良い判断だったね。」)。

ワーク3:五感を満たす「プチご褒美」(感覚で心を満たす数分間)

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。私たちの五感は、気分を切り替えたり、リラックスしたりするための強力なツールです。短い時間で五感を満たす「プチご褒美」を意識的に取り入れます。

方法: 1. 日常の「スキマ時間」(家事の合間、通勤時間、仕事の休憩中など)を見つけます。 2. その時間で、手軽に五感のいずれか、または複数を満たす活動を行います。 * 視覚: 好きな写真や絵を眺める、窓から空や景色を数分間ぼんやり眺める * 聴覚: お気に入りの音楽を1曲だけ聴く、自然の音を聞く * 嗅覚: アロマオイルを香らせる、好きな香りのハンドクリームを塗る、コーヒーやお茶の香りをゆっくり吸い込む * 味覚: 好きなお菓子を一口だけ味わう、温かい飲み物をゆっくりと時間をかけて飲む * 触覚: 手触りの良いブランケットやクッションを触る、自分の手を優しくマッサージする

効果: 気分転換になり、ストレスを軽減します。自分自身を大切にしているという感覚を得られ、自己肯定感につながります。短い時間でも「自分を満たす」経験を積み重ねることで、心にゆとりが生まれます。

実践のポイント: * ハードルを可能な限り低く設定してください。「特別なこと」にする必要はありません。いつもの飲み物をいつもよりゆっくり飲む、というだけでも十分です。 * 「プチご褒美リスト」をいくつか作っておくと、迷ったときにすぐに実行できます。 * 罪悪感を持たずに、「自分を労わる大切な時間」として楽しんでください。

完璧に「休む」ことを目指さない

これらのワークは、毎日完璧にこなす必要はありません。疲れたな、少し立ち止まりたいな、と感じたときに、「そういえば、こんな方法があったな」と思い出し、一つでも試してみる。それだけで十分です。

もし試せなかったとしても、自分を責めないでください。「今日は難しかったけれど、また明日試してみよう」と、自分に優しく声をかけてみましょう。

完璧主義を手放すプロセスは、時に難しく感じることもあります。特に、これまで「完璧にやること」で自分自身の価値を確認してきた方にとっては、不完全な自分を受け入れることに抵抗を感じるかもしれません。しかし、不完全な自分も、疲れている自分も、頑張っている大切な自分自身です。

小さな休息がもたらす穏やかな日々

短い時間でも意識的に心と体を休ませることは、日々のパフォーマンスを維持するだけでなく、心穏やかに過ごすためにも非常に重要です。イライラが減ったり、子どもやパートナーに優しく接することができたり、仕事の効率が少し上がったりと、思わぬ良い変化を感じられるかもしれません。

完璧主義を手放し、「これでOK」と思える休息の形を、あなたの日常の中で見つけていくことを応援しています。今日から少しずつ、自分を労わる時間を大切にしてみませんか。